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アサガオ

アサガオ(朝顔、牽牛花、蕣、英語:morning glory、学名:Ipomoea nil)は、ヒルガオ科の一年性植物。つる性。日本で最も発達した園芸植物。古典園芸植物のひとつでもある。

葉は広三尖形で細毛を有する。真夏に開花し、花は大きく開いた円錐形で、おしべ5、めしべ1を有する。

季語は秋。
日本への到来は、奈良時代末期に遣唐使がその種を薬として持ち帰ったものが初めとされる。朝顔の種の芽になる部分には下剤の作用がある成分がたくさん含まれており、漢名では「牽牛子(けんごし)」と呼ばれ、奈良時代、平安時代には薬用植物として扱われていた。和漢三才図絵には4品種が紹介されている。

なお、遣唐使が初めてその種を持ち帰ったのは、奈良時代末期ではなく、平安時代であるとする説もある。この場合、古く万葉集などで「朝顔」と呼ばれているものは、本種でなく、キキョウあるいはムクゲを指しているとされる。

種子 [編集]

生薬
種子は「牽牛子」(けんごし)と呼ばれる生薬で日本薬局方にも収録されている。中国の古医書「名医別録」では、牛を牽いて行き交換の謝礼したことが名前の由来とされている。

粉末にして下剤や利尿剤として薬用にする。煎液にしても効かない[要出典]。

朝顔の種は、煮ても焼いても炒っても効能がある。

ただし、市販されている栽培用の種子は、消毒がしてあったり、なんらかの人手が加えられている可能性があるので、服用するのは控えたほうが良い。

幻覚剤としての利用 [編集]
アサガオの種子に、幻覚剤であるリゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)に似た麦角アルカロイドであるリゼルグ酸アミド(LSA)を含む種が世界中に自生しており、粉末にして飲料に溶かして飲むことでLSDと同様の効果があるのだが、伝統的に幻覚剤として使用してきたのはメキシコや中米だけである[1]。1960年代に、ヘブンリー・ブルー、パーリー・ゲート、フライング・ソーサーといった種類のアサガオがこのような目的で使用された[1]。

品種改良 [編集]

品種改良の概要 [編集]
世界的に見ても、これほど花型が多種多様に変化した園芸植物は他にない。それは、メンデル以前に遺伝の法則が経験的に知られていたという理由からである。具体的には、朝顔は一年草であるが「出物」と呼ばれる変化は種子ができないか非常に結実しにくいため系統の維持ができず、変化が発現しなかった株により遺伝的に伝えて行くしかない。したがって沢山の種をまき、小苗の内に葉の特徴から変化を有している株を選び出す必要がある。そのため、現在も変化朝顔は遺伝学の研究材料としても用いられていて、早くから遺伝子の配列が知られていた。

品種改良の歴史 [編集]
江戸時代の2度の朝顔ブームを機に品種改良が大きく進んで観賞用植物となり、木版の図譜類も多数出版された。この時代には八重咲きや花弁が細かく切れたり、反り返ったりして本来の花型から様々に変化したものが生まれ、世間の注目を浴びた。これを現在では「変化朝顔」と呼び、江戸、上方を問わず非常な流行を見た。特に珍しく美しいものは、オモトや菊などと同様、非常な高値で取り引きされた。「大輪朝顔」も「正木」と呼ばれる結実する変化朝顔の一種である。

上記とは別に、熊本藩では武士たちによる園芸が盛んで、朝顔も花菖蒲や菊、芍薬、椿、山茶花などと共に愛好されており、盛んに育種されて独自の系統が生まれた。この花は変化朝顔とは違い、本来の朝顔の花型を保ち、大輪であり、「肥後朝顔」と呼ばれる。これが後世の大輪朝顔の祖先の一つになった。これら熊本の六種類の園芸植物は現在「肥後六花」と総称され、熊本に伝えられている。

明治時代以降も変化朝顔は発展して、「東京朝顔会」などの愛好会が生まれ、もてはやされた。この頃にはあまりな多様性よりも花型の洗練が追求され、対象となる花型が絞られた。当時の名花は石版画や写真として残されている。

やがて花型の変化ではなく、花径の大きさを追求する「大輪朝顔」が発展し始める。通常の朝顔の花は曜と呼ばれる花弁が互いに融合した漏斗状の形をしており曜の数は5枚であるが、「大輪朝顔」では曜の数が6~9枚程度に増える「州浜性」という肥後朝顔にもみられる変化の現れた品種が導入され、選別や他の系統との交配により次第に発展し、「青蝉葉系」と「黄蝉葉系」が生まれた。前者は成長が早いため「行灯(あんどん)作り」、後者は「盆養(切り込み)作り」「数咲き作り」という仕立て方で咲かせるのが本式である。行灯作りとは、支柱三個に輪が三つついている支柱、あるいは、らせん状にまいた針金を竹に取り付けたものに蔓を絡めていき仕立てをする方法である。切り込み作りは、茎を切り込んで脇芽を出し、背丈の低い引き締めた形、まるで盆栽のように作る方法である。名古屋式が有名であるがそれを、容易な栽培方法にした切り込み作りも良く見られる。数咲き作りは同じように切り込んでいくが、一辺に多くの花を咲かせる仕立て方で京都式が有名である。

戦後は大輪朝顔が主流を占めるようになり、直径20センチメートル以上にもなる花を咲かせることのできる品種も現れた。もちろんそのためには高度な栽培技術が確立されたことも重要である。変化朝顔は維持が難しいためごく一部でのみ栽培されているが、最近再び注目されつつある。

現在は、江戸時代に作られたとされる「黄色の朝顔」と「黒色の朝顔」の再現が度々試みられているが、完璧な再現に至っていない。このため「黄色の朝顔」は「黒色の朝顔」と並び、「幻の朝顔」と呼ばれる(ただし、昭和40年代に再現が試みられ成功し、NHKのニュース番組でも報道されたが、その後は絶えた模様である。ただし、黒や黄色に近い品種は存在する。黒色に最も近いといわれるものとして「黒王」という品種があり、黄色を求める試行の後に出来上がった品種の代表として最も有名なものに「右近」がある。)おおよそは、江戸時代に突然変異により作られて品種をベースに近代では交配を重ねて新しい品種がつくられている。それを育種と呼ぶ。最近のその大きい成果の一つの中に曜白朝顔がある。作出は静岡大学名誉教授の米田芳秋氏による。栽培もしやすく、種がつきやすく、画期的な独特の美しさがあるため、大手種メーカーで扱うことが出来たことがその普及の大きい要素である。つまり、よく売れてしかも作りやすいということである。マルバアサガオは、独自の斬新な色合いがありそれを日本の朝顔に導入しようとした思考の末に出来た。そのままでは交配をしないため、一度縁種のアフリカ系アサガオを交配させ、そののちに日本の朝顔と交配させることで成功した。かつては偶然の突然変異により新種が作られていた。近代は遺伝子学の知識を駆使しながら多彩な朝顔を作る研究者か、競技花として優良なものを作ろうとしている民間栽培家が新しいものを作出している。

朝顔の売買と朝顔市 [編集]
朝顔は別名「牽牛」といい、これは中華文化圏での名称でもあるが、朝顔の種が薬として非常に高価で珍重された事から、贈答された者は牛を引いて御礼をしたという謂れである。平安時代に日本にも伝わり、百薬の長として珍重された。

その後、江戸時代には七夕の頃に咲く事と、牽牛にちなみ朝顔の花を「牽牛花」と以前から呼んでいたことから、織姫を指し、転じて朝顔の花を「朝顔姫」と呼ぶようになり、花が咲いた朝顔は「彦星」と「織姫星」が年に一度出会えた事の具現化として縁起の良いものとされた。これらの事により、夏の風物詩としてそのさわやかな花色が広く好まれ、鉢植えの朝顔が牛が牽く荷車に積載されて売り歩かれるようになった。

また珍奇な品種は愛好家たちが門外不出として秘蔵していたが、普通の品種は植木市や天秤棒を担いだ朝顔売りから購入することができた。こういった一般販売用の朝顔は、江戸では御家人などが内職として栽培していた。これが発展して、明治時代初期から入谷朝顔市が始まった。

栽培がしやすく種が撮りやすい品種については広く色々なものが市販されている。

しかし、観賞用朝顔として価値が高いとされるのは、変化朝顔もしくは、時間をかけて花芸を磨かれた優良種の大輪朝顔である。

出物変化朝顔については、劣性遺伝子がホモに組み合わさった時のみその形態が出るため、大量に種をまく必要がある。またその特殊な変化を残していくには、劣性遺伝子がヘテロで残っている親木を使うことになるが、それには、試し蒔きをしたり、独自の選別知識が必要になる。出物形態の出現について自然の揺らぎがあり保証することは出来ない。そういった事情から商業ルートにのせることは困難で、その話題性から種メーカーも興味は持つものの採算が合わないため、どの会社も一般販売はしていない。

大輪朝顔については各種販売されているが、各地の朝顔会で時間と手間をかけて特性を磨かれた観賞用として高い価値のある優良種は市販ルートにはのっていない。 優良種とは、競技花として、その美しさに磨きをかけられたものを言う。 大輪朝顔も変化朝顔、つまり、奇形の一種であることから、稔性の低いものも多い。 また、毎年毎年、花色模様・サイズ・育ち方の特性などを厳しく管理して選別をして花芸を磨いていかなければいけない。 大量生産大量販売により経済活動する種メーカーでは行えないのが実情である。 労力があまりにかかりすぎるため、生産コストが非常に高くなってしまうからである。 そういった事情があるため、価値の高い優良種の大輪朝顔は同じく市販されていない。 一部の個人的愛好家から入手するか、各地の朝顔会から分けてもらうことしかその入手方法がない。
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日本以外の品種改良 [編集]
高温を好む植物で短日性のためイギリス等の高緯度地域での栽培は難しく、欧米ではあまり品種もないが、庭園用の多花性品種として、鮮紅色中輪の「スカーレット・オハラ」などが作出されている。なお近縁種のマルバアサガオは比較的早くから欧米で栽培され、花色の変異も色々見られる。

さらに「ヘヴンリー・ブルー」などのソライロアサガオは近縁の別種である。ソライロアサガオやマルバアサガオはまとめて「西洋朝顔」と呼ばれることもある。種子には、ファルビチンという配糖体が含まれ、腹痛や下痢などの食中毒を起こすことがある
近縁種には、同じく園芸植物として改良されているソライロアサガオIpomoea tricolorや、マルバアサガオIpomoea purpurea、などがあり、英語でMorning gloryと総称する。近年では多花性昼咲性のソライロアサガオの人気が高まっている。

また、ノアサガオIpomoea indicaは本州南岸以南に分布する野生種である。多年生のツル植物で、古い茎はやや木質化する。沖縄では低地の森林や藪にごく普通に生育している。このアサガオの園芸品種が「琉球アサガオ」「オーシャンブルー」「ケープタウンブルー」などの名称で販売されている。これらの種は、草勢がきわめて強健なため、雑草化すると駆除することは困難である。

文化 [編集]

花言葉 [編集]
花言葉は「明日もさわやかに」「はかない恋」「貴方に私は絡みつく」「愛情」「平静」。

慣用句 [編集]
朝顔の花一時(あさがおのはないっとき)
朝顔に釣瓶取られて貰い水

シンボル [編集]
アサガオを市区町村の花としている自治体の一覧。

東京都台東区
武蔵野市
横浜市旭区

その他 [編集]
小学生低学年での観察実験の教材としてよく使われている。
俳句では、夏ではなく、秋の季語。
朝顔の茶会…千利休は満開のアサガオを一輪を残して全て摘み取り、見物に来た豊臣秀吉を迎えた。秀吉はいぶかしんだが、茶席に生けられた一輪の朝顔に感動したと伝えられる。利休が茶の心を示した故事である。

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2009年04月02日 12:33に投稿されたエントリーのページです。

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